この、3.3VのI/O電圧を可変するには、マザーボードによって大きく手法が変わります。
それは、マザーボードによってはボード上にレギュレータを持ち、
5Vの電源から3.3Vを生成しているものがあります。
この場合、電源の3.3Vを可変したところで、まったく無意味です。
おもに、ASUSやMSIのマザーボードがこのタイプですが、
AbitのBX-6Rev2.0もレギュレータを搭載しているようです。
このタイプのマザーボードの場合は、コア電圧
を可変するのと同じような要領で、基板を改造しなければなりません。
幸い、手持ちのSL-68AとBH-6はレギュレータを搭載しないで、
電源から供給される3.3Vをそのまま使うタイプなので、
電源に細工をして3.3Vの電圧を調整することにしました。
電圧を変える方法として、以下の3つが考えられます。それぞれ長所と短所も併記しました。
| 方法 | 長所 | 短所 |
| (1) 電源内部の電圧調整用半固定抵抗を回す | 無改造で簡単 | 電源によっては調整用の半固定抵抗が無い。 可変できる電圧の範囲が狭い。 電源のケースを開けないと調整できない。 |
| (2) 電圧センシング線に抵抗を噛ませて電圧を変える | 調整用の半固定抵抗が無くても可能。 電源ケースを開けなくても調整可能。 |
電源によってはセンシング線が無い物がある |
| (3) 電源ケーブルの先にレギュレーターを入れる | すべての電源で可能。 電源ケースを開けなくても調整可能。 可変できる電圧の範囲が大きい。 |
レギュレーターのコストがかかる。 |
500MHz x2 マシンの製作
で購入した謎の中国製ケースに付いていた電源は、電圧調整用の半固定抵抗もなく、
センシング線による電圧調整もできませんでした。つまり、(3)の方法しか手立てがないわけです。
そこで、費用と手間はかかりますが 3.3Vのレギュレーターを製作することにしました。
2. 製作の準備
幸いなことに、
オーバークロックで有名なHP
に3.3Vレギュレーターの記事がありました。
これを参考に回路を考えようとしたのですが、
あまりに単純な回路なのでどうやっても同じになってしまいます。
結果的に、真似をしただけと思われるでしょうが、実のところほとんど真似です。m(_ _)m
さて、製作にあったて、以下の点に気を配りました。
PCの電源は、低電圧で大電流なので非常にロスが生じやすいです。 太めの電線を使っても、両端では明らかに電圧の格差があります。 ロスを少なくするために、ATX電源の延長ケーブルの中間にレギュレータを配置して、 3.3Vの出力とマザーボードの電源コネクタの距離が最短になるようにしました。 また、延長ケーブルの+5VとGNDは切断せずに コードの皮膜のみを削ってそこから給電しています。 ハンダによる結合点のロスを無くすためです。(ハンダの直流抵抗は意外と大きいです)
DualCPUの電力に耐えるように、7Aのレギュレータを使用することにしました。 市販のI/O電圧レギュレータは5A程度ですから、とりあえず7Aあれば大丈夫だと思います。 しかし、これが高コストの一躍を担ってしまいました。 部品代のほとんどはレギュレーターICの価格です。
回路図と部品一覧は以下のとおりです。私は秋葉原の千石電商とヒロセテクニカルで部品を調達しました。 費用は3500円程度です。(LT1584CTが2000円でした)
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![]() LT1584CTの端子図 |
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3端子レギュレーターには、Linear Technology
製の
LT1584CT
という物を使用しています。
LT1584CTには、電圧可変タイプと電圧固定タイプがあり、後者はLT1584CT-3.3
の様に型番の後ろに電圧が記載されています。
今回使用するのは電圧可変型ですから、電圧の表示の無いものを購入してください。
LT1584CTのADJ端子に付いているコンデンサーは気休めなので無くても構いません。
また、出力の1000μFも気持ちです。100μFでも問題ないと思います。
抵抗は精度5%品を使いましたが、素材にこだわる方は1%品を使われた方が良いでしょう。
ただ、5%品だからといって、実際に5%の誤差があることはまずありません。 放熱板は大きめの物が必要ですが、コンパクトに仕上げるためにはあまり大きな物は付けられません。 わたしは、3cm x 4cm ぐらいの比較的小さな物を選びました。これだとかなり熱くなりますが、 ファンの風が当たる場所に設置すればほとんど熱くなりません。 レギュレーターICはCPUと違って触れないぐらい熱くても大丈夫です。 規格上は摂氏125度まではOKなので、5秒間触って火傷しなければ平気でしょう。
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さて、いよいよテストです。まず、ATX電源に製作したレギュレーター基板を接続して、
電源を入れてみます。電源によっては負荷がないとONにならない物もありますので、
その場合は100Ωぐらいの抵抗を+5VとGNDに繋いでおけば良いです。テスターでICのVoutの電圧を測定し、半固定抵抗で3.4Vぐらいに調整します。 もし1Ω20W程度の抵抗が用意できれば、負荷をかけてテストしてみます。 負荷が1Ωの場合、電圧と電流は等しくなるので3.4Vの場合は3.4Aの電流が流れています。
ひととおり納得の行くまでテストしたら、いよいよマザーボードに繋いでみます。 最初は、CPUもメモリーもビデオカードも付けずに電源だけ繋いで電源スイッチでON/OFF できるか試してみます。 問題がない様でしたら、CPUとメモリ、ビデオカードを繋いで、 BIOSを起動してハードウエアモニタでI/O電圧を確認してみてください。
私の試作機では、4Vぐらいまで電圧を上げる事ができました。 PentiumII 空冷ペルチェマシンに装着してコア2.3V、I/O電圧を3.6Vに設定し、 112x5=560MHzで安定した動作をしております。
右の写真は、BH-6に装着した時の写真です。AGPカードにぎりぎり干渉しない大きさでした。
最後にお約束の文句で恐縮ですが、
万が一、製作に失敗してマザーボードが火を吹いたりCPUがオシャカになってしまっても、
それはドジなあなたが悪いのであって、この記事を書いた私を怨まないように
お願いいたします。
3.3Vの電源がコケたらどれぐらいの被害が及ぶか容易に想像が付くとおもいます。
くれぐれも作業は慎重にお願いします。