h.godai's bike life

インプレッション


私とオートバイ

1970年代の終りで私が高校生の頃、空前のバイクブームが始まろうとしていた。 街には暴走族がはびこり、「オートバイ=悪」というイメージが定着しつつある暗い時代でもあった。
私がオートバイに出会ったのは、月光仮面や仮面ライダー、キカイダーなどの正義のヒーローで、 近所に止まっていたマッハ3やCBは、憧れの的だった。 つまり、私にとっては「オートバイ=正義」でありバイクに乗る事は幼い頃からの夢であったのだ。

「16歳になったらバイクに乗ろう」と心に決めていたが、 高校に入学してみると「バイクに乗らない、買わない、免許をとらない」という、 いわゆる3ナイ運動が私が在住していた静岡県全体に施行されていた。
「バイクに乗る事は悪い事だ」と言わんばかりの論法である。 もしも学校に内緒でバイクに乗ったり免許を取得したりすると、 停学そして退学という不良への道にまっしぐらと言う結果が待っている。 計らずとも、バイクに乗れば不良になれるという非常に理不尽なシステムであり、 これがほぼ全国的な規模で行われていた。


正義のヒーロ仮面ライダー
愛車のサイクロン号は200ps、
最高速400Km/hだ。
もちろん、それは暴走族の蔓延や交通事故による死者の急増などが社会問題化していたためだが、 いまから思えば人権や法律を無視したずいぶん乱暴な制度だったとおもう。

そんな状況下では、バイクの免許を取る事は大きなリスクを背負う事になる。 しかし、私の我慢は1年しかつづかなかった。先輩がバイクを購入した事をきっかけに、 17歳になって間もなくバイク屋に出向き、MB-5という50ccのバイクを中古で購入してしまった。
問題は、免許の取得だった。試験場には高校の教師が生徒を監視するために張り込んでいる。 そこで、私はサングラスといかにも不良っぽい格好に変装し、 購入したバイクに乗って試験場に乗り付けた。 バイクに乗って来たため、幸いな事に先生のチェックから洩れる事ができたのだ。 合法的に免許を取得するために、無免許運転という大きなリスクを払うという矛盾であった。



なぜバイクか?

バイクに乗っていると、「危ないし、もういい年なんだからそろそろ辞めたら?」 という言葉をよくかけられる。おそらく、善意に満ちた言葉なのだろうが、 私にとっては無知と矛盾にあふれた言葉にしか聞こえない。

まず、「年だから」というのは完全に間違いである。 バイクは子供のためにある物ではない。 バイクを降りてクルマに乗るという人は多いが、 それは趣味よりも実用性を重んじるようになるからだろう。
年配のライダーで、4輪の免許を持っていない方は稀だと思う。 2輪と4輪は別の乗物であり、決して排他的ではない。
また、バイクにしてもクルマにしても、趣味として続けるにはお金もかかるし、 「大人の理性」がないと他人に迷惑をかけてしまう事が多い物である。つまり、 バイクもクルマも大人の遊びであり、一方が子供向きという事はない。

バイクとクルマの大きな違いは、市場規模ではないだろうか。 ユーザー数にすれば、2桁ぐらい違うかもしれない。 バイクに乗る事を職業としている人は、宅配ライダーや白バイ隊、 ラーメン屋さんや宅配ピザなどの出前、そして郵便配達員等と職種は限られている。 1980年代のバイクブームの時は猫も杓子もバイクに乗っていたが、 最近は完全に「趣味の乗物」という雰囲気が強い。

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